2013年3月15日金曜日

6夜限りの伝説がここに開幕。「放課後ライトノベル」第98回は『レッドドラゴン』で最高のフィクションを堪



 アニメ版「Fate/Zero」が終了した。4月からの3か月間,毎週の放映が本当に楽しみだった。まるで映画のようなクオリティを保ったまま,最後まで走り切った全25話。その集大成である最終回も期待に違わぬ出来で,30分がとても短く感じた。結末自体は原作を読んで知っていたものの,絵と音楽がついた状態で見るクライマックスはやはり格別のものがある。そんな感動的な最終回だが,話の内容とはまったく関係なく,我々視聴者の心を震わせずにいられなかったものがある。

 画面が切り替わり,全裸のギルガメッシュが現れた瞬間,筆者はTwitterのライムラインを通じて,視聴者の間に得も言われぬざわめきが走るのを感じた。「奴は綺礼が起きるまでどのくらいその姿,そのポーズで待っていたのか?」とか,「すぐ近くに布があったのになぜマッパのままだったのか?」とか,「もしや黄金のサーヴァントだけに,己の金のナニかを見せつけたかったのか?」とか,もはやどこからツッコんでいいのか分からない勢い。最終回にもこんな予測不可能なネタが仕込まれていようとは,やはりアニメ「Fate/Zero」はただ者ではなかった……,ドラクエ10 RMT

 ところで放映をきちんとリアルタイムで見ていた人は,原作の著者である虚淵玄や,「Fate/Zero」のさらに原作である「Fate/stay night」のシナリオライター,奈須きのこの名前が出てくる星海社のCMを何度か目にしたことだろう。それを見た誰もが気になったであろう物語が,このたび書籍の形を取って降臨した。英雄王ですら羨むに違いない,夢のような布陣で紡がれる,「最高のフィクション」——それが今回の「」で紹介する『レッドドラゴン』だ。

『RPF(ロールプレイングフィクション) レッドドラゴン I 第一夜 還り人の島』

著者:三田誠
イラストレーター:しまどりる
出版社/レーベル:星海社/星海社FICTIONS
価格:1260円(税込)
ISBN:978-4-06-138830-7



●出会いは死者が蘇る島。すべては,狂った竜を斃すため


 死者が蘇る「還り人」を始め,奇妙な現象や住人が多数存在する島,ニル?カムイ。かつて起こった七年戦争によって荒廃したこの島は現在,その戦で争った2国の緩衝地帯となっていた。1つは世界最強とうたわれる枻诬娛鹿?ドナティア。いま1つは,テクノロジーによって急速に勢いを増している西の黄爛(こうらん)。緊張しつつも均衡を保っていた島の情勢は,しかしある日を境に大きく動き始める。ニル?カムイを縄張りとする七竜の一柱,〈赤の竜〉が突如暴走し,各地の街を壊滅させ始めたのである。

 未曽有の危機に,ドナティアと黄爛,そしてニル?カムイの革命軍はそれぞれ使者を派遣し,調査部隊を結成。〈赤の竜〉の異変の原因を調査し,場合によっては討伐せんとする。各勢力の思惑を背負い,ニル?カムイに集ったのは以下の4名。

 黄爛の宗教組織?八爪会の僧侶にして暗殺者,婁震戒(ロー?チェンシー)
 ドナティア最強の黒竜騎士団に属する若き騎士,スアロー?クラツヴァーリ
 異形の魔物?ヴァルと命を共有する「つながれもの」の少女,エィハ
 そして,ニル?カムイの旧住民に崇拝される「皇統種」の末裔,忌ブキ

 ここに,6夜限りの伝説が幕を開ける——。


●謀略,陰謀,暗躍。竜退治の旅は前途多難!?


 ニル?カムイの北に位置する都市,シュカに集った4人はまず,〈赤の竜〉に関する手がかりを求めて,かの竜とのつながりを持つ不死商人,禍グラバ?雷鳳(ライホウ)?グラムシュタールと接触するべく,島の反対側にある街?ハイガを目指す。人知を超えた力を持つ竜と,場合によっては剣を交えねばならない過酷な旅——しかし,それ以前に,一行は大きな問題を抱えていた。

 婁とスアローの2名は共に,相手の国の人間には決して〈赤の竜〉を殺させるなという命を受けており,本俚膜藢澚㈤v係にある。まだ幼い忌ブキは己の力不足という大きな悩みを抱えており,エィハはエィハで自身に関係のあること以外は無関心な不干渉主義者。こんなことで無事に竜のもとにたどり着けるのか? と否応にも不安をあおられる。

 中でもこの第一夜で際立つのが婁の暗躍ぶり。開始早々,4人が合流する前から陰謀をめぐらせたかと思えば,その後もほかの3人を出し抜くように,己の目的のため縦横無尽に暴れ回る。第一夜の見どころの半分が婁にある,といっても過言ではないだろう。エィハと忌ブキも,戦いや交渉事を通して力の片鱗を見せる中,カップを割ったり,メイドのメリルにツッコミを入れられたりするだけの(ように見える)スアローのアホっぷりが笑いを誘う。

 禍グラバの身柄をめぐって黄爛とドナティア両軍も動きだし,事態が混沌とし始める中,衝撃の(あるいは笑撃の)展開で第一夜は幕を閉じる。今後この物語がどのように動いていくのか,今はまったく予断を許さない。


●すべては,最高のフィクションのために!


 さて,ここまでしれっと普段どおりに紹介してきた本作だが,この『レッドドラゴン』,実はいわゆる小説,ライトノベルではない。制作者サイドでは「ロールプレイングフィクション(RPF)」と銘打っている本作は,本連載のでも触れたTRPGの体裁で綴られる物語であり,本書はそのリプレイなのである。

 TRPGということは,各キャラを演じるプレイヤーが存在するわけだが,これが実に豪華なメンバーとなっている。婁震戒,スアローはそれぞれ,前フリでも触れた虚淵玄奈須きのこ。エィハは第13回電撃小説大賞の受賞者である小説家,紅玉いづき。忌ブキはこの『レッドドラゴン』のイラストを手掛ける,しまどりる。そして,語り部である著者——フィクションマスターは,本連載で紹介した『クロス×レガリア』などを手掛ける小説家,三田誠がそれぞれ担当。それ以外に『バッカーノ!』『デュラララ!!』成田良悟がプレイヤーとして参加しているのだが,一体どのようなキャラクターを演じているのかは,ぜひ本編で確かめてみてほしい。

 ゲームのルールは,この物語のためだけに一から作られたというもの。これだけでも十分に“贅沢”と言える本作だが,実はこれでもまだ足りない。今回書籍化されたセッションは,もともと星海社のサイト上に掲載されたものであり,そこではゲームミュージックファンなら誰もが知るコンポーザー,崎元仁の手による音楽が各シーンをさらに盛り上げている。それらの音楽はセッションの最中にも流れていたらしく,むしろこのWeb版が“完全版”と言えるかもしれない。では現在でも,今回書籍化された第一夜が読めるほか,その続きとなる第二夜の連載も始まっているので,ぜひ一度こちらにもアクセスしてみよう。

 一流のクリエイターたちによる「最高のフィクション」を目指す『レッドドラゴン』。この前代未聞の大プロジェクトがどんな物語(フィクション)を創造していくのか,期待と共に見守っていきたい。

■セッション参加メンバーが手がけた作品も合わせてチェック

『ミミズクと夜の王』(著者:紅玉いづき,イラスト:磯野宏夫/電撃文庫)
 小説家?シナリオライターを中心に,そうそうたる顔ぶれが関わっている『レッドドラゴン』。誰もが現在のライトノベルやアニメ,ノベルゲームの最前線に立つ書き手とあって,その多くは本連載でもすでに取り上げており,三田誠は本文にもあるようにで,虚淵玄や奈須きのこはで簡単に,成田良悟は記念すべきでそれぞれ紹介している。そこで今回のコラムは残る1人,紅玉いづきを簡単に紹介したい,rmt
 1984年生まれ,石川県出身の紅玉いづきは2007年,第13回電撃小説大賞?大賞を受賞した『ミミズクと夜の王』でデビュー。同作はライトノベルらしからぬ童話的な内容や,それに合わせた装丁で話題になった(同作のカバーイラストを担当したのは「聖剣伝説」シリーズのビジュアルを手掛けた磯野宏夫)。その後も電撃文庫やメディアワークス文庫,児童文学レーベルである角川つばさ文庫などで活躍。そのほか「」などのシナリオも担当した。星海社との関わりは,同社のWebサイト「最前線」にて『青春離婚』を発表したのが初めて。同作は2012年7月に「星海社カレンダー小説2012」所収の1編として書籍化予定であるほか,サイト掲載時にイラストを手掛けたHEROによるコミカライズが現在「」にて掲載されている。

 セガは本日(2012年6月1日),今夏にサービスを予定しているオンラインRPG「」で,次回テスト以降に実装する新武器や,マグ第3形態などの情報を公開した。これに合わせて大量のスクリーンショットも届いている。

 なお,今回公開された武器はいずれも特有のグラフィックスで描かれたものだ。加えて武器には,特定のエネミーから入手できる,「エネミーウェポン」と呼ばれる独特な形状をしたものも存在する。

 また,実装は正式サービス開始後とのことだが,マグがレベル100以上に育つことで,第3形態への進化が可能になる。さらに第3形態では,「打撃」「射撃」「法撃」「技量」といった系統のどれかに特化した“特化型”だけでなく,各系統を組み合わせた“複合型”への進化も望めるという。

 このほか,クローズドβテストで登場した「フォトンブラスト」と,その連携技「フォトンチェイン」の概要が公開されたので,こちらも合わせて確認しておこう。


武器説明


?クルールコフィン
永久凍土の氷を利用し作られた銊嚒?br>白く冷たい輝きを放つ闵恧椁辖~対零度の如き弾丸が放たれる。


?ブーケライフル
はたから見ればただの花束。
しかしその内には強力な長悚Lされている、暗殺者御用達の武器。


?ヴァイフロース
氷の結晶を模して作られた長杖。
冷たい輝きは常に保たれており時に吹雪すら呼び起こすという。


●エネミーウェポン

?ヴォルスケイル
ヴォル?ドラゴンの鱗そのものを荒々しく仕上げた、大剣のようなもの。猛々しさの残るフォルムが特徴。


?マルモスファング
ナベリウス原生種マルモスの牙を自在槍の穂先に転用した特異な武器。
それを振るう姿の迫力はすさまじい。


?ルストデバイス
惑星リリーパで発見された物体をそのまま長槍に加工したもの。
錆びてはいるものの、強固。


?ラグネアンサラー
ダーク?ラグネのデータを元にその構成物伽蛟佻Fして作った長槍。
禍々しくねじ曲がった柄が特徴。


?ディニアロッド
アムドゥスキア原生の龍族が持つ大きな杖を回収し、使用できるように改良を加えた、生体的な長杖。


?ディニアランチャー
アムドゥスキア原生の龍族の強靱な盾を回収し、大砲として使えるよう改良を加えた生体的な武器。


?ラッピーファンファン
ラッピーの羽根を模したものを放つ愛らしい導具。
本物の羽根は決して使ってはいません。……決して。


●ユニット

?ファンブラムシリーズ
白色剣形翼が特徴のユニット。
打撃攻撃や、光属性攻撃への耐性を上昇させる。



マグ関連


正式サービスイン以降、マグはレベル100を超えた際に第3形態への進化が可能になる。
打撃、射撃、法撃、技量と言ったこれまでの系統の特化型に加え、複合型の進化も楽しめるようになる。
どのタイプに進化していくかは、実際に育てて確かめてみよう!

キグナス

ドルフィヌス

ライブラ

ツカナ

ケフェウス

カエルム

カリーナ

オリオン

モノケロス

アプス

コルブス

レオ

クルックス

■フォトンブラスト
レベル50を超え、第2形態となったマグは、プレイヤーに一定のダメージが蓄積した際に「フォトンブラスト」と言う、幻獣に姿を変える必殺攻撃を放つことが可能になる。
大きく分けると下記の4種となるが、各幻獣には、「プロイ」「イメラ」「ニフタ」の3系統があり、それぞれ攻撃方法が違っている。

?ヘリクス
ユニコーンのような容姿を持つ幻獣


?アイアス
クラゲのような容姿を持つ、要塞型の幻獣


?ケートス
魚のような容姿を持つ幻獣


?ユリウス
阿修羅のような容姿を持つ6本腕の幻獣


■フォトンチェインについて
フォトンブラスト発動時にサークルが広がる。
広がっている間に、他のプレイヤーがサークルを重ねた状態で、発動すると「チェイン」という現象を起こすことが出来る。

チェインが行われると、フォトンブラストの効果範囲や効果時間攻撃の威力などを上げることが出来る。



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KONAMIが「風雲!なでしこコレクション」で見せる新たな挑戦とは? 内田明理氏とミノ☆タロー氏に,その

 KONAMIは本日(2月14日),フィーチャーフォン&スマートフォン向けソーシャルコンテンツ「」のサービスを,GREEプラットフォームで開始した()。
 同タイトルは,全国47都道府県の名所や名産物をモチーフにした女の子達のカードを集めて遊ぶ,カードバトルタイプのゲームで,「ラブプラス」シリーズの生みの親である内田明理氏と,同シリーズのキャラクターデザインを手掛けてきたミノ☆タロー氏がタッグを組んで誕生したものだ。


 ゲームシステムは,大ヒット作「」をはじめとする,同社のコレクションシリーズがベースだ。そのため基本的な進行は,ミッションをこなしてカードを集め,デッキを揃えてボスと戦ったり,ほかのプレイヤーと対戦したり……という,おなじみのスタイルを踏襲している。
 本作の大きな特徴の一つは,すべてのキャラクターデザインおよびカードイラストの監修を,ミノ☆タロー氏が手がけている点。昨今のカードバトルゲームでは,さまざまなイラストレーターを起用した,多彩なテイストのイラストをウリにするのが一般的だが,本作では逆に“絵柄を統一”することで,キャラクター達の個性を際立たせることを狙っている。
 また,演出面も本作の大きな特徴だ。“個性的”という枠を超えている女の子達から飛び出すセリフの一つ一つ,効果音を表す描き文字,チラリと見える背景,ガチャでカードを引いたときのアクションなど,大きくコミカルに振り切った演出が,そこかしこにちりばめられている。

 ラブプラスシリーズや「ときめきメモリアル Girl's Side」シリーズ,「とんがりボウシ」シリーズといった,これまでの作品とは大きく異なるアプローチながら,細部までネタを作り込む姿勢は,やはり彼らが所属するラブプラスプロダクションらしさのあらわれといえるだろう。
 今回は,そんな彼らがソーシャルコンテンツに挑むに至った経緯や,本作の今後の展開,そして将来的な展望などを,シニアプロデューサー?内田明理氏と,キャラクターデザインのミノ☆タロー氏のお二人に聞いてみた。



KONAMIが持つソーシャルコンテンツのノウハウに

得意とするキャラクター手法を投入


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします,ドラゴンクエスト10 RMT
 いきなりの発表で驚いたんですが,「風雲!なでしこコレクション」という作品を手がけるに至ったきっかけから教えてください。

内田明理氏(以下,内田氏):
 ご存じのとおり,私達は,ラブプラスや,ときめきメモリアル Girl's Sideなど,“キャラクター”をメインに据えたコンテンツを多数手がけてきました。おかげさまで,そこそこ評価していただいています。
 その一方,弊社は「ドラゴンコレクション」(ドラコレ)をはじめとするソーシャルコンテンツの開発?運営も行っています。そこで何か新しいことができないかと……。

4Gamer:
 そう考えるに至った,直接的なきっかけなどはありましたか?

内田氏:
 きっかけは,ドラコレの大躍進を間近で見ている中で,僕らの培ってきたキャラクターという切り口を,ソーシャルコンテンツでもうまく活用できないかと考えたことですね。
 ここ数年のソーシャルコンテンツ市場の拡大は,決して無視できるものではありません。その中で僕らも何か新しい挑戦をしてみたいな,と。

4Gamer:
 KONAMIも含め,各社でさまざまな取り組みをしている分野ですよね。それを見ていて,いても立ってもいられない気分になったということでしょうか?

内田氏:
 ええ,そういうことです。
 で,実際に何をやるかを考えるにあたって,弊社のソーシャルコンテンツを僕らなりに分析したんですが,ドラコレにしても「」にしても,お客様に興味を持っていただける“ネタ”の部分が非常に強いんですよ。
 例えば戦コレには,織田信長が登場しますけれど,もう“信長”と言ったら,日本国民のほとんどが人物像を知っているわけです。

4Gamer:
 義務教育でも出てきますからね。

内田氏:
 一方,僕らの得意とするキャラクターの手法──こういう人物がいて,こういう性格で,ゲームを進めて付き合いが深まると,実はこういう側面も見えてきて……というような部分を,ソーシャルコンテンツのカードゲームで表現しようとすると,なかなか伝えきれないことになるでしょう。

4Gamer:
 カードの種類が豊富になればなるほど,一人一人を掘り下げるのには限界がありますよね。

内田氏:
 それでもなお,オリジナルのキャラクターを作り出すことは,僕らの宿命であり,誇りとするところです。
 そこで,思い切って発想を変えたんです。まず,カードゲームのキャラクターを作るにあたり,日本国民が誰でも分かる共通概念をキャラクター化してしまおう,と。それが47都道府県の“ご当地”をモチーフにすることでした。

4Gamer:
 一気に飛躍した気がしますが(笑)。

内田氏:
 いやいや,例えば“柧堡巫婴坤盲郡椋俊·瓤激à毪龋毡竟瘠希`ルでお高くとまった子を思い浮かべますよね。“大阪”が女の子だったら,きっとコテコテな子だろう,とか。

【大阪】難波果月(なんばかげつ)
一人でツッコミとボケを演じる高校生漫才師。
残念ながら本人が思っているほど面白くはない。かれこれ数年間、相方募集中だが未だに応募ゼロ。

4Gamer:
 つまり,ゼロからキャラクターのイメージを作り上げて掘り下げていくのではなく,日本国民が抱いているであろう47都道府県のイメージをモチーフにすることで,キャラクターの印象をある程度担保しつつ,間口を広げようということでしょうか?

内田氏:
 はい。そういったことができるんじゃないかと。

4Gamer:
 それは,いつ頃から考えていたことなんでしょう?

内田氏:
 発端は,かなり前ですね。

ミノ☆タロー氏:
 それこそ「」のプロモーション用イラストを描きながら企画書を作っていました。

4Gamer:
 なるほど。
 ちなみに,全カードのイラストを,ミノ☆タローさんが手がけるというのは,最初から決まっていたんですか?

ミノ☆タロー氏:
 当初は,ほかのカードゲームのように,いろんな作家さんに描いていただいて,その中の一部を僕が担当するという話だったんですよ。それがある日,「全部,お前がやれ」と言われて。

内田氏:
 「ミノ☆タロー推しでいこう」と。

ミノ☆タロー氏:
 そう言いながらも「絵柄は今までとちょっと変えよう」とか言い出すんですよ,この人(笑)。

4Gamer:
 実際,ミノ☆タローさんは,どこまでイラストに携わっているんですか?

ミノ☆タロー氏:
 最初から最後まで自分で描いているイラストもあるんですが,基本的にはキャラクターデザインと作画監督をやっています。

4Gamer:
 ミノ☆タローさん推しなのに,絵柄を変更するというのは,内田さんのアイデアですか?

内田氏:
 アイデアというほどではないんですが,風雲!なでしこコレクションはラブプラスと明らかにノリが違うので,似たような絵柄では,うまくシャレにできないと思ったんです。
 そこでタッチを漫画っぽい感じに寄せて,“the キャラクター”というところを狙ったわけです。

ミノ☆タロー氏:
 僕自身も,これだけソーシャルのカードゲームがある世の中で,繊細な美麗イラストで勝負しても埋もれてしまうだろうという考えはありました。
 そこで思い切って,ゲーム全体を通して漫画やアニメ調のコミックデザインでいこうと考えました。

【愛知】名城こがね(めいじょうこがね)
光り物に目がない、派手好きなお嬢様。
財布の紐は固いがブランド物に弱い。
実は手羽先が大好物(ただし食べている姿は人に見られたくない)


各都道府県を勝手なイメージで擬人化

各地出身者からの反応は……


4Gamer:
 この作品では,イラストだけではなく,女の子一人一人のキャラを立たせるための工夫が凝らされていますよね。

内田氏:
 ええ,僕らはラブプラスやときめきメモリアル Girl's Sideで,「一人の人間を描こうとするなら,記号化したキャラクターは避けたほうがいい」と言ってきました。
 ところが今回は逆に,“キャラクターを描く”ことに挑戦したんです。「キャラクターって,どう描くんだろう?」という勉強もしました。

4Gamer:
 つまり,先ほどおっしゃった,カードゲームにおけるオリジナルキャラクターの表現について試行錯誤してきたと。

内田氏:
 はい。だから慣れないうちは苦労したんですが……ミノ☆タローはすごく器用で,気付けば何でも描けるようになっているんです。

ミノ☆タロー氏:
 今回の仕事で,僕も“ミノ☆タロー Ver.3”みたいな感じになりましたよ(笑)。

内田氏:
 「ライトノベルの表紙になりそうなキャラ描いてよ」という無茶振りにも,「こんな感じかなあ」と,すぐ応えてくれて。

ミノ☆タロー氏:
 ああ,“妹寿司”の築地はるみとか(笑)。

【柧?/strong>築地 はるみ(つきじ はるみ)
ひょんなことから祖父から寿司屋を継いだべらんめぇ口調の下町娘。
さっそく店名を「妹寿司」に改めた(祖父はちょっと微妙な表情だった)
俺の妹がこんなに美味く握れるわけがない?!

内田氏:
 もちろん,それだけじゃなくて,マスコット的なキャラを描いたり,ギャルゲー全開みたいなキャラを描いたり。

4Gamer:
 実際,ミノ☆タローさんとしては,そういった今までと違う作業をどう考えているんですか?

ミノ☆タロー氏:
 いろんなネタを考えるのが,とにかく大変です。

内田氏:
 でも経験としては,楽しいでしょう? 今まで封印してきた“キャラクターの記号”を,思いっきり描けるわけだから。

ミノ☆タロー氏:
 確かに楽しいですね。今まで,「こういうのはいかん」と律してきたことを,逆に「どんどんやれ」と言われているわけですからね。

内田氏:
 だって,この子なんてカニですよ。頭にカニが付いてる(笑)。

ミノ☆タロー氏:
 蟹山カニ子(笑)。横歩きしかできなくて,「前に走れないカニ」とか言うんです。

4Gamer:
 そこまでやられちゃうと,笑うしかないですね。

内田氏:
 そういう面白い“壊れかた”を目指しています。

4Gamer:
 キャラクターのネタを作るにあたって,何か配慮していることはありますか?

ミノ☆タロー氏:
 僕らのほうからは軽くネタを提供するだけにとどめて,受け取ったお客様に,頭の中でいろいろ話を膨らませてもらえるようなキャラ作りを意識しています。

内田氏:
 47都道府県にネタ振りをして,「あとは面白く料理してください」と(笑)。

4Gamer:
 おそらく,あまり詳しくない都道府県もあったかと思うのですが。

内田氏:
 確かにあります。なので面白そうなネタを見つけたら,その地域に詳しい人を社内から探してきて監修させたりもしています。「沖縄出身の人,いませんかー」とか。

ミノ☆タロー氏:
 そうすると,たいてい「何でウチの県は,このキャラなの?」と聞いて来るんですよ。「そのうち,いいキャラが出るから」と言って,納得させていますけど。

【茨城】水戸 葵(みとあおい)
財閥の娘という素性を隠し、
庶民のために世直しするべく自家用ジェットで諸国漫遊中!
親友の助ちゃんと格ちゃんとはいつも一緒。

内田氏:
 今回重視しているのは,“ほかの県から見たイメージ”なんです。だから,その県の出身者からすると,ちょっと違うかもしれません。別にバカにしているわけではないんですが。

ミノ☆タロー氏:
 滋賀を忍者モチーフの子にしたら,滋賀県出身のスタッフから,かなり怒られましたね。僕自身は,すごくお気に入りなんですが。

内田氏:
 “外国の方が取り違えた日本の文化”みたいですよね。カードのデザインも,外来文化が入ってくる明治時代っぽくもあったり。まあ,何だかんだで楽しくやらせてもらっています。

ミノ☆タロー氏:
 もう200体分のネタを考えたんで,さすがにしんどくなってきましたけど。

内田氏:
 そんなこと言わずに頑張っていこうよ(笑)。

4Gamer:
 200体というと,都道府県それぞれに,複数の女の子が出てくるわけですか? 「もっといいキャラが出る」みたいなことをおっしゃっていましたが。

ミノ☆タロー氏:
 そうです。最初は1体ずつですが,随時追加していきます。例えば北海道なら,マリモの子もいれば,時計台の子もいます。
 さらに,女の子は最初は制服姿なんですけど,レアリティによって「ご当地変身」「スーパーご当地変身」など,数段階にパワーアップ変身していきます。そのほか,キャラの魅力を掘り下げるスチルイラスト仕様のカードもあります。僕としては,1枚でも多くのイラストを見てほしいですね。

【北海道】釧路毬萌(くしろまりも)
マリモの密猟業者をこらしめるため人間の姿になったマリモの女の子。
中身が空洞のためか少々忘れっぽく、使命そっちのけで高校生活を満喫している。

4Gamer:
 先ほどのお話だと,企画自体はかなり前からあったということですよね。今でも新しいネタを考えて描いているとなると,イラストのタッチが変わったりしませんか?

ミノ☆タロー氏:
 実際,変わっていますよ。それで注意されることもあるくらいです(笑)。
 僕の場合,「こういう絵を描きたい!」という確固たる信念を持っているタイプではないので……。

内田氏:
 僕は企画初期のタッチが好きですね……。
 ミノさんは器用だから,新しいタッチをどんどん習得していくので,常に変化しているんです。


各地の名産物を募集する企画も進行中!?

勝手に描いたものもすでにあり!


4Gamer:
 そのほか,キャラクターについて,とくにここを見てほしいという部分はありますか?

内田氏:
 ネーミングセンスですね。

ミノ☆タロー氏:
 ラブプラスの「プチ夢イベント」みたいなノリで考えています。

内田氏:
 青森の恐山むつ子(おそれやまむつこ)とか,柧─?strong class="bold9">大門ていと(だいもんていと)とか。最初は分からないけれど,よく考えると,その都道府県との関連が分かるようになっています。

【青森】恐山むつ子(おそれやまむつこ)
霊感が強く、そのせいか学校では浮き気味。心霊ブームの再燃を願っており、スピリチュアル系アイドルグループ「イタッ娘」としてこっそり売り出し中!(他のメンバーは背後霊)

ミノ☆タロー氏:
 もし分からないようであれば,いろいろ調べてみてほしいです。ゆくゆくは,プレイしていると,自然に日本の地理や各地の名産物を覚えられるようなゲームになるといいですよね。

内田氏:
 あとは福岡の長浜紅生(ながはまべにお)とか……そういえば,麺類絡みが多いんですよ。香川の釜上鶴里(かまあげつるり)とかもそうですね。「“なでしこ”であるまえに,“ツルツルシコシコ”でありたい」という,ツンデレ系の子なんですけど。

【福岡】長浜紅生(ながはまべにお)
日本一早い?安い?うまいラーメン屋を志す屋台の少女。
お客さんがのれんをくぐって座るまでの間にラーメンを完成させている。
麺は生だがまぁよかばい。
【香川】釜上鶴里(かまあげつるり)
細腕で手打ちした自家製麺が自慢のうどん屋の娘。
コシの強さとなめらかなのどごしに惚れ込んだお客さんで店は一杯。
麺打ちに腰を入れるあまり、夏場はすぐノドが渇くのが悩み。

4Gamer:
 そういうのも,真面目な会議で話し合っているんですか?

ミノ☆タロー氏:
 ええ。至って真面目に会議で決めています。端から見るとちょっとシュールです(笑)。
 ともあれ,そうやって出来上がったキャラクターが,皆さんから怒られないといいなあ,と思っています。

内田氏:
 広い心で受け止めてほしいですね。

ミノ☆タロー氏:
 逆に,皆さんからネタを募集することも,今まさに検討しているんです。「地元の人だけが知っているローカルなネタを送ってくれたら,ミノ☆タローがイラストを描くよ!」みたいな感じで。

内田氏:
 各地の名物を売っている企業さんや個人商店さん,商工会さんとかも,ぜひ検討していただきたいです。

ミノ☆タロー氏:
 僕は大阪出身なんで,「蓬○の豚まん」のイラストを描くお話が来たらうれしいです。僕,大好きなんですよ。

内田氏:
 じゃあ茅ヶ崎の「奉○最中」もぜひ。

ミノ☆タロー氏:
 もうすでに,勝手に描いているものもありますしね。最近の“萌え米”ブームに何とか乗っかれないかと(笑)。

内田氏:
 新潟の魚沼 光(うおぬまひかり)という子がいまして,普段,部活のマネージャーをやっているという設定なので,「どん米」というイラストにしてみました。
 ……魚沼のコシヒカリ限定になってしまうんですが,「使ってみたい」というご希望があれば,ご連絡ください。

【新潟】魚沼 光(うおぬまひかり)
みんなが憧れる部活のマネージャー。
今日も彼女の差し入れオニギリで頑張れる気がする。
うっかり残すと「米1粒には7人の神様がいる」と話し出す。

4Gamer:
 何だか,よく分からないビジネスモデルの宣伝の場になってきましたが。

内田氏:
 「勝手に描いてみたんで,よかったら使ってください」というビジネスモデル(笑)。しかも,最近話題の“ゆるキャラ”じゃないですからね。“国民的カノジョ”でお馴染みのミノ☆タローが,ちゃんと考えて描いた,いわば“固(かた)キャラ”ですから。ぜひご当地キャラとして,ゆるキャラと一緒に並べてほしいです。

ミノ☆タロー氏:
 栃木の「レ○ン牛乳」とか,今はなくなっちゃった大阪の「パ○ナス」なんかも,すごく描いてみたいので,なんとか許可をいただけると嬉しいです。

4Gamer:
 同じ種類のお菓子が,各地で別々の名前で売られているケースもあるじゃないですか。そういうのを一つ一つキャラクターにしてほしいですね。

ミノ☆タロー氏:
 ああ,そういうのは生き別れの姉妹とかにすると面白そうですね。

4Gamer:
 ところで,今までのお話を含めて,ゲームに留まらないキャラクターのビジネス展開について,具体的に話は進んでいるんですか?

内田氏:
 ここまで盛り上げておいてなんですが,ビジネスが絡むと僕らだけでは勝手に話を進められないので,具体的になるのはこれからです。
 せっかくですから,何かに発展させたいと考えているのは確かですけれど。

ミノ☆タロー氏:
 今,実現しそうなのは,ご当地のローカルネタを送っていただいて,それを僕がイラストにしてゲーム内に反映するところまでですね。

【岡山】桃 花子(ももはなこ)
浮世の鬼を退治するという、過酷な宿命を負う少女。
ボーイッシュな雰囲気から女子人気が高く、わん子?あい子?けん子という親衛隊がいる。
旅立ちの刻まで、団子を食べつつ時代劇を見てイメトレしている。


ラブプラスプロダクションが持つ

“コメディ”の部分を大きく打ち出した作品に


4Gamer:
 先ほど,実際にゲームをプレイさせていただいたんですが,演出にこだわっているという印象を受けました。いかにして演出をスキップさせずに見せるか,という工夫がありますよね。

ミノ☆タロー氏:
 まさに“スキップさせない”というのが,演出上の最大のテーマでした。と言うのも,キャラクターがどんなセリフをしゃべるのかを見てもらわないと,その魅力が伝わらないからなんです。いかにセリフを短く,インパクトのあるものにするかについては,かなり頭をひねっています。

内田氏:
 僕自身,自分でセリフを担当して,どんどん好きになっていった子がいますよ。

4Gamer:
 ミッションをクリアしたときのセリフも,キャラクターそれぞれの個性が出ていて,「濃いなあ」と。

ミノ☆タロー氏:
 たとえば鵜飼いの子だったら,きちんと鵜飼いの歴史を調べてセリフを書いていますからね。そういう意味では,自分が詳しくない地域の子がゲームに出てきても,新しい発見があると思います。
 よくある“ご当地モノ”になってしまってはあまり面白くありませんから,そういう部分には,かなり時間をかけています。

【秋田】男鹿彩理(おがいろり)男衆が不在の為に、なまはげ役に抜擢された気弱な少女。
なまはげになってもやっぱり気弱なので、子供に脅かされるありさま。そんな時はかまくらにこもって泣く。

内田氏:
 繰り返しになりますけど,僕らが“the キャラクター”を作ってみた作品ですので,キャラクター好きの方に見てほしいですね。
 もし,「コレジャナイ!」と思ったら,そう言っていただければ,不評なので新キャラ登場! ということもできますからね。

4Gamer:
 オンラインゲームならの強みですね。

ミノ☆タロー氏:
 そこは本当に,皆さんと一緒に作っていくことを意識しています。

内田氏:
 ただし! ミノさんの監修は厳しいです(笑)。

ミノ☆タロー氏:
 描き直しの理由が「笑えない」とか,「この子は何もしゃべってくれません」ですからね。

4Gamer:
 なるほど。見ただけで,どんなことをしゃべるのか想像できるようでないとダメだと。

ミノ☆タロー氏:
 最終的に皆さんにお話を広げてもらうためには,そこまで行っていないとダメだと思うんですよ。

内田氏:
 やっぱり忍者は「拙者,忍者でござる。ドロンドロン」とか言いそうでないと(笑)。

ミノ☆タロー氏:
 だから,滋賀の人に怒られちゃうんですけどね。「滋賀の女の子は,“拙者”なんて言わない」とか(笑)。

内田氏:
 もし,ものすごく怒られたら,次の日からその子の名前や設定が変わったり,いなくなってしまったりするかもしれないので,一期一会のつもりで,1日1日を大切にプレイしてほしいですね。

4Gamer:
 なんでそんなに冒険しちゃったんですか(笑)。

ミノ☆タロー氏:
 そこに山があるから,としか言えないですよ。

内田氏:
 ここ数年,僕もミノさんもリアルなキャラクター造形ばかりでやっていましたからね。ちょっと爆発しちゃったのかな。

【京都】宇治原茶々(うじはらちゃちゃ)
茶道家元のお嬢さん。
隣町の家元とは犬猿の仲で、いつも服装の褒め合いをしている。
あちこちの集まりに混じっては、主役を食って目立ってしまう。

ミノ☆タロー氏:
 今回,姿勢としては,各都道府県に最大のリスペクトを持って臨んでいるつもりなんですが,「ふざけている」と受け止められてしまったら,僕らの努力が足りないということですから。
 ただ,ウチはラブからコメディまで,幅広く行くんだということをご理解いただけると嬉しいです。

4Gamer:
 まとめると,風雲!なでしこコレクションとは,内田さんやミノさん達が大真面目にふざけたことをやっているプロジェクトであり,とくにキャラクター作りにおいて,意識して,これまでとは正反対とも言えるアプローチを取っていると。

ミノ☆タロー氏:
 ええ。単にドラコレシリーズの一つとしてカードイラストを描きましたということではなく,コンシューマゲームで培ったキャラクター作りのノウハウを,妥協せず,女の子全員に投入しています。

内田氏:
 カードゲームでは,カードを合成して進化させて強くしていくことが正義ですが,このタイトルでは,キャラクターに愛着を持ってしまったがゆえに,あえて進化させないというお客様が出てくるかもしれません。
 「ゲーム上,不利でもいい。オレは,今のこの子が好きなんだ」という方がいたら面白いと思いますし,そこまでしてくださったら僕らとしても嬉しいです。

4Gamer:
 分かりました。それでは最後に,風雲!なでしこコレクションに興味を持った人に向けて,メッセージをお願いします。

内田氏:
 これまでの僕らが手がけてきた作品がお好きな方には意外な展開かもしれませんが,ぜひ,注目していただけると嬉しいです。
 プレイしていただければきっと楽しんでもらえると思います。皆さんと一緒に遊べたら嬉しいです,rmt

ミノ☆タロー氏:
 日本全国の皆さんの力を借りて,これからの運営開発を進めていきます。プレイしていただく中で,「プッ」と笑っていただけることを願って作っていますので,ぜひよろしくお願いします。

4Gamer:
 ありがとうございました。

 これまでの内田氏やミノ☆タロー氏の取り組みを知る人なら,彼らがソーシャルコンテンツを創ると聞くと,いろいろ想像が膨らむところかもしれない。
 ところが,風雲!なでしこコレクションは,システム的にはドラコレの流れを汲むド直球のカードバトルゲームである。それでいて,多くの人が慣れ親しんだ概念を,手間暇かけて,いかに面白く料理して見せるかという彼らのチャレンジが,ふんだんに込められているのだ。
 それは,彼らがラブプラスで恋愛ゲームというジャンルを改革してみせたときの姿勢と何ら変わらない。ぜひ実際にゲームをプレイして,彼らの心意気を感じ取ってほしい。

 ユークスとトライファーストは,とで今秋発売予定としてきた総合格闘技ゲーム「UFC 2009 Undisputed」を,10月15日(木)に発売すると発表した。価格は7140円(税込)。
 本作は,ユークスが開発し,THQが米国で2009年5月19日に発売し,同月に100万本以上の売り上げを記録したタイトルの日本語版だ。

 「UFC」(Ultimate Fighting Championship)とは,米国のZuffaが運営し,世界規模で人気を博している総合格闘技の大会。「オクタゴン」と呼ばれる,金網で囲まれた八角形のリングで試合が行われるというのが大きな特徴で,2008年のPPV売り上げは2?000万ドルを記録している。
 日本でもブームを起こしていた総合格闘技プロモーション「PRIDE」に関する権利は,現在,Zuffaのオーナーであるロレンゾ?フェティータ氏のもとにあり,事実上,UFCに吸収された形となっていると言えば,総合格闘技事情に疎い人でも,UFCの隆盛ぶりを想像できるのではないだろうか。

 ,本作にはUFC全階級(ヘビー級,ライトヘビー級,ミドル級,ウェルター級,ライト級)の選手の中から80名が実名,および本人そっくりのモデリングで登場。プレイヤーは彼らを操り,打撃や投げ技,関節技などを繰り出し,戦うことができるのだ。
 細かく描き込まれたグラフィックスと,音声実況により,その様子がまるでテレビ中継のようなクオリティに仕上がっている点も,特筆すべきポイントだろう。


 オリジナル選手を育て,UFCのチャンピオンを目指していく「キャリア」モードが用意されているほか,過去に行われた名勝負(例:「UFC71」のチャック?リデルvs.ランペイジ?ジャクソン,「UFC77」のアンデウソン?シウバvs.リッチ?フランクリンなど)をプレイヤーの手で再現すると,秘蔵実写映像を鑑賞できる「クラシックファイト」モードも搭載されている。
 UFCファンのみならず,総合格闘技ファン,そして対戦格闘ゲームファンにとっても,楽しみな作品といえるだろう。


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2013年3月1日金曜日

[E3 2011]「Metro Last Light」スニークと破壊,そしてミュータントバトル……静と動の対比が際立つシ

 E3 2011のTHQブースに用意されたシアターで,「Metro Last Light」(///)のプロモーションムービーが上映されていたので,その内容をレポートしよう。  本作は,核戦争によって荒廃したロシアを舞台に,人類の生き残りをかけてミュータント達と戦いを繰り広げていくFPS「Metro 2033」の続編。前作と同じく,ロシアのデベロッパ4A Gamesが開発を進めている。  この映像は,「Explore」「Combat」「Stealth」「Dynamic Destruction」「Mutant Combat」という5つのテーマに沿って本作の特徴を紹介していくという内容だ。  映像は,マンホールの蓋を開け,地下鉄構内へと下りていくシーンからスタート。続いて,ミュータントから身を隠すためか,いろいろな手段で明かりを消していく様子が描かれる。  例えば,rmt,ソケットに入った電球を緩めたり,火にかけられた鍋を撃ち,その中のスープをこぼすことで火を消したりといった具合だ。  次に,姿を闇に隠したまま敵の背後に回り,ナイフで仕留める様子や,最小限の発砲で倒していくシーンが描かれていた。  その後は一転して,派手な戦闘シーンとなるのだが,銚膜摔瑜盲匹楗工⒙窑筏郡辏瑱C関悚毋撃を受け,木製の棚などが木っ端微塵になっていったりするさまは,実にダイナミックだった。  前作で評判の良かったグラフィックスクオリティはさらに磨きがかけられているようで,光源の下を通過するとき,前に進むにつれて悚伪砻妞喂鉀g具合が変化していた。  また,回転椅子の横を通るときに体がそれにぶつかると,ドラクエ10 RMT,椅子がくるくると回転し始める様子も確認できた。マップ内のオブジェクトに対するインタラクションも,高度な作りになっているようだ。  続くシーンでは,第四帝国の集会に潜入したものの,そのことがバレて逃げ出す羽目に。トロッコのようなものに飛び乗って逃げる主人公と,それを追う敵との銚膽椁归_されていた。  このシーンは,先ほどの暗闇を利用しながらのステルス戦闘とは対比的で,プレイヤー自身の行動次第でゲーム展開が大きく変化するということを象徴しているといえそうだ。  そして最後は,ミュータントとの戦闘シーン。背丈が人の倍以上もあるミュータントが暴れ回り,主人公の仲間達を蹂躙していく。主人公は「Hellsing」と思しき武器で応戦し,何発も撃ち込んでいくものの,最後はあっさりと飲み込まれて映像は終了した。  この映像を見る限り,ミュータントとのバトルも前作以上にシビアなものになっていると見て間違いないだろう。  本作は,海外ではPC,PlayStation 3,Xbox 360,そしてWii Uへのマルチプラットフォーム展開が決定している。日本でのリリースは未定とのことだが,日本でも前作を超える熾烈なサバイバルに挑めることに期待したい。  最後に,YouTubeに掲載されている「Metro Last Light E3 Gameplay Trailer」と題されたムービーを紹介するので,目をとおしてみよう。
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